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スタンドアップで見つかる「障害(ブロッカー)」を分類し、誰が対応するかを明確にする方法

Tags: スタンドアップ, ブロッカー, 障害対応, タスク管理, チーム改善, プロジェクトリーダー

スタンドアップミーティングは、チームの進捗を確認し、課題や障害(ブロッカー)を共有するための大切な機会です。メンバーが日々の活動で見つけた障害を報告することは、チームがスムーズに目標達成に向かうために不可欠です。

しかし、ただ障害が報告されるだけでは、その後の対応が曖昧になり、結果として障害が放置されてしまうことがあります。誰がその障害に対応するのか、どのように進めるのかが不明確なままだと、チーム全体の生産性低下につながる可能性があります。

この記事では、スタンドアップで見つかった障害を効果的に解決に繋げるため、「どのように分類し、誰が対応するかを明確にするか」に焦点を当てて解説します。

なぜ障害の分類と担当者明確化が必要なのか

スタンドアップで報告された障害に対して、分類と担当者を明確にすることは、以下のような点でチームに大きなメリットをもたらします。

障害を分類するための視点

スタンドアップ中に報告される障害は多岐にわたります。それらを効果的に管理するために、いくつかの視点から分類を検討することができます。どのような分類が最適かはチームの特性や扱うプロジェクトによって異なりますが、ここでは一般的な例をいくつかご紹介します。

これらの視点を参考に、チームにとって最も分かりやすく、その後の対応に繋がりやすい分類方法を検討してください。例えば、「技術」「外部依頼」「組織課題」といったシンプルなカテゴリ分けから始めてみるのも良いかもしれません。

スタンドアップ中に担当者を明確にするステップ

スタンドアップは短い時間で行われるため、詳細な議論はその場で行いません。しかし、報告された障害に対して、誰が一次対応者となるかを素早く決めることは重要です。以下のステップを参考にしてください。

  1. 障害の報告: メンバーが「今日やること」「昨日やったこと」に加えて、「障害になっていること」を報告します。
  2. 簡単な内容確認と分類の試み: 報告された障害に対し、ファシリテーター(多くの場合リーダー)は、必要であれば簡単な確認を行います。「これは技術的な問題でしょうか?」「〇〇チームに相談が必要な内容ですか?」といった問いかけで、大まかな分類を試みます。
  3. 一次対応者の決定:
    • 障害の内容から、自然と対応できる人がいれば、その場で「私が確認します」と名乗り出てもらいます。
    • 特定のスキルや知識が必要な場合は、該当するメンバーに「〇〇さん、これを見ていただけますか?」と依頼を検討します。
    • すぐに担当者が決まらない場合や、誰が担当すべきか不明な場合は、まずリーダー自身が一次対応者として引き取ることを検討します。リーダーが引き取ることで、放置を防ぎつつ、スタンドアップ後に適切な担当者を見つけたり、必要な調整を行ったりする時間を確保できます。
  4. 記録と共有: 決定した分類と担当者を、チームで共有しているタスク管理ツールやボードに記録します。

スタンドアップの場で全ての担当者を完璧に決定する必要はありませんが、誰かが「次に何をするか」を明確にすることが重要です。

分類と担当者明確化を継続するためのヒント

この仕組みをチームに定着させるためには、いくつかの工夫が考えられます。

まとめ

スタンドアップで見つかる「障害(ブロッカー)」は、チームの進捗を妨げる可能性があります。これらの障害を単に報告するだけでなく、適切に分類し、誰が対応するかを明確にすることは、早期解決とチームの生産性向上に繋がる非常に重要なステップです。

最初から完璧な分類や担当者決定ができなくても問題ありません。まずはチームで話し合い、シンプルな分類から試してみたり、スタンドアップ中に「これは誰が見ますか?」と問いかけてみたりすることから始めてみましょう。タスク管理ツールを効果的に活用し、定期的にプロセスを振り返ることで、チームにとって最適な障害対応の仕組みを育てていくことができます。

障害を「見える化」し、「自分ごと」として捉え、チームで解決していく文化を育むために、今日からスタンドアップでの障害報告に「分類と担当者明確化」の視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。